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モラルハザード

Wikipediaでは以下のように紹介されている。

1. プリンシパル=エージェント理論。情報の非対称性により、エージェントの行動についてプリンシパルが知りえない情報や専門知識があることから、エージェントの行動に歪みが生じ効率的な資源配分が妨げられる現象。

2. 保険におけるモラル・ハザード。保険に加入していることにより、リスクをともなう行動が生じること。広義には、1.に含まれる。

3. 倫理の欠如。倫理観や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさないこと(「バレなければよい」という考えが醸成されるなど)。これは、日本独自のものであり、誤用とされることが多い。

ここでは、モラル・ハザードを1の「プリンシパル=エージェント理論」で見て行く。実際、会社では様々なケースで、「プリンシパル」と「エージェント」の関係が成り立っている。例えば、管理職がプリンシパルで、部下がエージェントの関係。管理職は部署の目標を達成するために、部下へ「一生懸命働く」という行為を依頼する関係にある。ただ、部下はいつも一生懸命働いているとは限らない。「外出先から直帰する」と言ってサボっている部下もいるだろう。或いは、テレワークで働いている部下が業務中に他の事をしてサボっている場合もあるだろう。この際、管理職は部下の行動を逐一把握できない(観察不可能である)ので、情報の非対称性が生じている。

或いは、経営者がプリンシパルで、管理職がエージェントの関係。経営者は自社の業績を上げるために、可能な限り各部署に高い成績を残す事を管理職に依頼する。ただ、多くの部署で管理職は、今期のノルマを達成したら残りの契約はなるべく来期分に回そうとするはずだ。経営者が全ての部署の全案件を把握することは不可能なので、ここでも情報の非対称性が生じている。

これらのモラルハザードの問題解決の為には、その根源である「目的の不一致」「情報の非対称性」を解消する組織の仕組みとルール作りが重要になってくる。具体的には、モニタリングとインセンティブ(成果主義)が代表的な手法になる。

モニタリング:プリンシパルはエージェントを監視する仕組みを組織に取り入れて情報の非対称性の解消を目指すもの

インセンティブ(成果主義):プリンシパル=エージェント間で目的の不一致解消を目指す


しかし、これらの手法も万能ではない。上司の悩みは尽きない。

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